プロフィール

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名古屋生まれの名古屋育ち。絵との付き合いは、油絵を始めた高校時代。仙台にいた頃は友人と木版画に熱中。社会人になって遠ざかったものの、退職を期に再スタート。水彩、油絵と、もと来た道を楽しみながら続けています。

2021-12-01

かすかな前進?

< 八ヶ岳東沢の秋 油彩 F6 2021.10.20 >

COP26が終わりましたが、土壇場で石炭火力の段階的廃止が段階的削減に弱められたのは残念でした。いっぽうパリ協定の気温目標に合わせた2030年目標を各国が毎年再検討する流れや、CO2排出実質ゼロの達成目標として、十分ではないものの主要排出国が時期を示したのは かすかな前進でしょうか。コロナのパンデミック以来 心配性になったせいで、今後の気候変動が悪化するのではないかと気がかりです。

スケッチは八ヶ岳・東沢橋たもとからの主峰、赤岳です。残念ながらここからでは牛首山の陰になって、背後にちょっと白く見えるだけです。左側にある天女山から右側の美しの森へのハイキングルートがある辺りです。その中ほどに東沢川の清流があって、岩の上でランチをしたものですが、赤い橋の上流になるはずです。

2021-11-01

自由さに憧れて

< 石舞台のイメージ デジタル 2021.10.29 >

このブログを始めて10数年になりますが、たまにネタ切れになります。次のスケッチを何にしようか、ということです。今回は 古いスケッチブックを探してみつけた、むかし版画にしようとして実現しなかった下絵、その頃を思い出せないかとリメイクしました。

下絵を描いたのは大阪にいた頃だったか、それとも今のところに移ってからか はっきりしません。友人に聞いた 辻まこと「山からの絵本」の一節が頭にあったのは確かです。少し引用すると『岩に抱きついてよじ登ってみると、上はちょうど人間が一人横になれるくらい平らだ。(中略) すっぱだかのままで、ちょっと体操みたいなことをやり、夕焼けに向って「ウォーっ」とターザンの真似をしてみる。』秋の夕方、気ままに山を歩きまわる自由さに憧れたのだと思います。
 

2021-10-01

平均気温1.5度の差

< 立秋の山麓 油絵 P10 2021.09.20 >

地球温暖化の影響でしょうか、世界各地で記録的な高温、大雨による洪水、山火事が頻発しています。一連のCOPの議論は、簡単にいうと産業革命前と比べ気温の上昇幅を1.5度以下にするには何をすべきかというものです。

自宅から数Kmの所にアメダス観測点があり、気象庁から日別の平均気温データが出ます。厳密ではないですが先月初め1.5℃の差を少し(年と日の違いあり)体感できました。実際には26.9℃と28.5℃の、1.6度差でした。天気や日照時間は似ていたので比較できると思います。議論になっている1.5度ぐらい 大したことないという気持ちでしたが、はっきり違いが分かったし、これを年平均に引き伸ばして考えると違いは歴然、すこし怖くなりました。それに空気中の水分量は増えるはずですから、生物にとって大脅威になる気がします。

スケッチは前回の水彩を油絵にしたものです。

2021-09-01

一匹の蝿と過ごす

< 立秋の山麓 水彩 2021-08-27 >

北杜市大泉町に滞在しました。ちょうど長雨の最中だったのですが、神奈川でも雨、雨、雨の毎日だったので大した違いはなかったかもしれません。ただ気温は4度ほど低いし、樹木に囲まれた静寂さはここならではです。

滑って転倒して手首を骨折した妻を病院で診てもらったりと、思わぬハプニングがありました。緊急事態宣言中とあって面会はできず、やりとりは専らメッセージング。これならと思い、大泉町に戻って後片付けや、今回のスケッチができました。車で6、7分のところにある集落です。背景は八ヶ岳の編笠山や権現岳のはずです。豊かな田んぼは稲が首を垂れていました。

独り暮らしに慣れて来たものの、静けさが忍び寄る夜は寂しいですね。そんなとき3日前に入り込んだ蝿が、羽音を立てて周りを飛んでくれるので、少し気が紛れます。畳んで棒状にした新聞紙は出番がなくなりました。
  

2021-08-01

挑戦するコロナ

< コロナ・V 「変異株のイメージ」 デジタル 2021.07.29 >

反対や疑問の声の中 始まったオリンピック、いよいよ陸上競技になりました。やはり 選手たちが精一杯プレーする表情は眩しいです。いっぽう大小いろんな問題が出てるようですが、問題は世の常 それをどう解決するかに注視したいです。海外の友人のメッセージに「よく管理されている」とあったのは嬉しい。ただ五輪の外では爆発的な感染。テレビ観戦で感動すれば だれもが会って喜びを共有したくなるもの。しかし ここはグッと我慢して 電話やネットで共有したいです。

ワクチン接種が済んで ひとまず安心だったはずが、次々に出現する変異株のニュースを聞くと、平穏が遠のいたようで 気持ちが少し暗くなります。インドで見つかった変異種のデルタ株、南米のはラムダ株。止めどなく変異するのがウィルスみたいです。彼らは感染を広げるなか変化し、偶然 強い増殖力をもつのが生まれると どんどん勢力を広げるようです。まさに進化論の世界を 時間を縮めて眺めるみたい 😨 次の危険な変異種を出さないためには、感染を広げない、そのためにタイムリーなワクチン接種、こんなことしかないのでしょうか? 今度のスケッチは、そんなモヤモヤ感の元になったコロナの変異をテーマにしました。
  

2021-07-01

騒々しさはどこから?

< アジサイ SM 2021.6.23 >

コロナのワクチン接種に続き五輪の開き方を巡って騒々しい6月でした。収まるどころか 混乱が増しているような気もします。制限しながら観客を入れることが やっと決まりましたが、直行直帰で途中の飲酒は禁止とか、まるで子ども扱い。飲食店主がため息をついていました。何のための五輪開催なのか分からなくなっています。

いっぽうデルタ株(発見国名から変わった)の感染は、波紋がじわじわ広ろがるようで、専門家たちは気を揉んでいます。今後の状況は 感染がコントロールされるかどうかに依るのでしょう。しかし ワクチン効果によって落ち着くほうに賭けるのは 楽観的過ぎる気がします。 平和の祭典とも言われる五輪ですが、もはやこの喧騒から心を穏やかにしてくれません。せめて梅雨空に佇むアジサイの花に 癒されたい。

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< アジサイ 版画 1970年代 >
   

2021-06-01

久しぶりの感動

< 安曇野回想 デジタル 2021-05-23 >


ワクチン接種は6月になるかと思っていました。それが少し早まって 先週 一回目が終わりました。まだマスクは外せませんが、2回目が終わったら少し旅行がしたい気分です。外に出かける機会がなかった今回は、2年前の作品「田植えのころ」を見ながらデジタル (Procreate) で描いたいわばリメイクです。

たまたまクロ現で、mRNAワクチン開発の長くて辛い基礎研究をしてきたカリコさんのインタビュー番組を見ました。すごく前向きな研究者のようで「辛く」という表現は当たらないかも知れません。その研究から生まれたワクチンのお陰で コロナ・パンデミックが終わる可能性が見えて来たことは素晴らしいです。データに基づいた地道な研究を続けてこられた努力に感動しました。
  

2021-05-01

コロナ禍 こんなお願いは?

< 緑陰の坂道 油 F8 2021.4.12 > 

緊急事態宣言や蔓延防止措置でも、訴えるのは相変わらず 午後8時以降の飲食を自粛してもらうことです。「またか」と聞こえます。飲食店はため息をつくばかりかも。何かいいアイデアはないでしょうか。

ゴールデンウィーク前後になれば寒くなく、といって空気はまだ乾いている。夜空を楽しむには良い季節です。ただし大都市では一つ問題があります。光害です。広告塔や街路灯など、街の光が空を明るくしてしまい、星がよく見えません。そこで、何日か 明かりを消そう、とお願いしたらどうでしょうか。飲み屋さんには助けてもらわなければなりませんが。
実現はともかく、こんな空想をしていると体の免疫力が高まってくる気がします 😊

追:4月23日、小池さんは宣言中 20時以降の看板、ネオンなどの消灯を要請しました。
  

2021-04-01

パンデミックという異郷

< コロナ・4 デジタル 2021.03.21 >

先日「五輪・パラ 海外客断念」と一面に出ていました。本来の五輪は開けるのでしょうか。「宣言をだすことがないように対策をしっかりやるのが私の責務」と首相は答えたようですが、実が見えないので頼りない春風のように聞こえました ▼ ワクチン接種が進んでいるイギリスやアメリカ、夏以降はこれまでの日常へ急回復するのでしょうか。

コロナ・パンデミックとは関係ないですが、油絵に代わりデジタルのスケッチを載せています。今回で4作目。テーマは前回に続きコロナ ▼ だいぶ前ですが友人にショーン・タン作の絵本「アライバル」を見せてもらいました。奇妙な異郷に暮らし始めた孤独さが漂う絵とストーリーを憶えています。いまはパンデミックという異郷の中にいますが、いつか仲間や家族と普通に会え、安堵する日が来るのを待っています。
  

2021-03-01

コロナの幻想

< コロナの幻想 digital paint by procreate 2021.2.25 >
 
コロナ自粛になってから定着した毎日の散歩、季節の移ろいをよく意識するようになりました。2月に入って小鳥の動きが活発になっているとか、風に梅の香りがしたとか、菜の花をはじめ黄色がよく目立つ 等々。▼ 友人の一人が二十四節気をテーマにした写真をEメールしてくれます。1年前の、その節気の頃に撮った草花や小動物の写真が配置されています。横浜辺りでも自然の営みがけっこう豊かだと分かりました。彼はカメラを向けながら、何かを語り何かを聴いて愉しんでいるのかもしれません。▼ この1年 電子顕微鏡のコロナウィルスの像を毎日のように目にしています。これまで世界で250万人もの命を奪った恐ろしい正体ですが、どこか金平糖のようで可愛い。今回は ウィルスの誕生を幻想したスケッチです。
  

2021-02-01

清々しい笑み

< 笑み デジタル by procreate 2021-01-31 > 

 コロナ感染者数が落ち着いてきたのは嬉しいニュースです。やはり夜の飲食が感染のチャンスを大きくしていたようです。もちろん飲食店の問題ではなく、感染した人が他にうつしやすい、密になる環境だっただけのことです。政府が描く収束のシナリオはなかなか聞けませんが、いろいろな問題に対処しながら医療を通常の軌道に戻し、一斉のワクチン接種の効果につなげることでしょうか。

今回のスケッチは、Mさんからもらった写真をモンタージュして描きだした油絵を、デジタル・ペイントで仕上げたものです。たっぷり過ぎる時間の中の巣ごもり生活。弛んだ気分を一時 集中することができました。こんな時期だけに 清々しく描けたのは満足です。
  

2021-01-01

コロナのお正月

< 樹 F10 2020.12.10 >
  

現在のコロナ罹患者は4万人に迫り、移動自粛のまま 2021年の正月を迎えました。第2波が治まり切らないうちに、人々の動きを活発にしたGOTOプログラムのせいでしょうか。半年後にワクチン接種を受けられても、治療薬が見つかるまでは安心できません。

写実絵画は 3次元 (3D) 世界を、遠近法のテクニックで 2D すなわち平面のキャンバス上に表現することだと聞きます。たぶん技術的な見方としてはそうでしょう。しかしそれだけではないと思います。絵の中には、例えば時間の概念が、多かれ少なかれ混ざり込むからです。子供が描いた、いくつかのシーンが一つに混ざり合った絵を見てそう感じたことがあります。それは ”3D+” 次元の表現といえるかもしれません。遠近法のような確たる手法はないだけに面白そうです。