プロフィール

自分の写真
名古屋生まれの名古屋育ち。絵との付き合いは、油絵を始めた高校時代。仙台にいた頃は友人と木版画に熱中。社会人になって遠ざかったものの、退職を期に再スタート。水彩、油絵と、もと来た道を楽しみながら続けています。

2019-11-09

寒いのも忘れて

< by KH - ボールペンと色鉛筆 >

< by NZ - デジタル(Procreate) >

スイスの気候や時差に慣れたのに、もう帰り支度をする時期が近づいていました。昨日は孫娘と「アキレスと亀」の問題を一緒に考え、いい時間が持てたので、その続きとばかり「スケッチ しようか」と提案したら「いいよ」でした。それでベランダのデーブルに並んで描いたのが今度のスケッチ。西側に見える丘の紅葉が綺麗でした。毎日見ている景色のせいなのか、初めどこを描くか迷った様子でした。親指と人差指で構図を探すところを見せると、同じようにやっていました。

日差しがなくてヒンヤリした空気、小1時間もしたら体が冷えてきました。孫娘もどこか行き詰まっていたのか、集中力がなくなった感じ。「そろそろやめようか」と言いながら覗くと、丘の稜線をおもしろく描いていました。部屋に戻ると さっそく スマホをいじりだしました。
  

2019-10-17

秋を惜しむ

< 惜秋・Adliswil スイス 色鉛筆 2019.10.16 >

まだ10月半ば、こんなタイトルだと北海道にいるみたいですが、もう少し遠いスイスに来ています。今日が16日目。先週はモルテラッチ氷河を歩き、念願のベルニナ山を間近から見上げることができました。それで寒さにだいぶ慣れたみたいで、アドリスヴィル(チューリッヒ近郊)に戻ると15℃ぐらいでも暖かく感じます。よく晴れた日の終わり、近くのサッカー場から西の丘に向かってスケッチしました。午後の光が斜めに差し込んで、向こう側の木々がいつもより立体的に見えました。早めに色づいたカエデは葉っぱをだいぶ落としています。今週末から冷たい雨が続く予報なので、今回の旅行の最後のチャンスだろうと1時間ほど描きました。
  

2019-09-02

夏休みの課題

< 田植えのころ F30 2019.8.5 >

この辺りの小中学校は今日から2学期。朝 少し高めの声がするので窓から覗くと、バックパックを背負った中学生が集まり ふざけ合っていました。体をくねらせ楽しそうに何やら喋っていました。仲間と久しぶりに会って楽しかったのでしょう。背負ったバックパックの中には、出来上がったばかりの夏休みの課題が入っているのかな。どこか開放されたような気持ちで、工作とか絵を持っていった昔を思い出しました。

少しづつ描いてきた市展作品が先月 仕上がり、今日はその搬入日でした。今朝 見た光景を思い出し、変な偶然に笑ってしまいました。これが わたしの夏休みの課題だったのだ、と気づきました。田植えのころの安曇野です。有明山を背に 水が入った田んぼが広がる風景は好きです。人の営みが まさに始まった証ですから。もう一つの動機は 一面に広がる民家の屋根が 昼の陽を跳ね返しキラキラ輝いていたこと。平和な佇まいが感じられる 大きな空間でした。
  

2019-08-01

カワセミと蓮華池

< 蓮華池 (未完) F10 2019.7 >

  7月10日、花を狙ってぶらっと蓮池に出かけました。まださほど暑くなかったのに、3日前の29日に梅雨明けしてから猛暑が続いています。梅雨が長かったのだから たぶん暑さは短いかな、そんな楽観的な気分でいますが、どうでしょうか。

蓮池へは1年ぶりでした。やはり大砲のようなレンズ付きカメラを持った人たちが大勢いました。隣りに陣取っていたカメラマンの話では、蓮華を背景にカワセミを撮りたいのだそうです。たしかに、誰かが挿した木の枝が蓮華の池に向かって伸びていて、カワセミが止まれるようになっていました。スケッチにはその枝まで入れる必要を感じなかったので、腐りかけた土留めの杭までにしました。花鳥風月とは縁のないスケッチですから。
  

2019-07-01

車窓からの街

< 習作・街のイメージ デジタル by procreate 2019.6>

展示中だった友人の絵を見に埼玉県まで出かけました。2回乗り換えがあって片道約1時間半の電車の旅です。持参した読み物に飽きると、ぼんやり車窓から街を眺めたりしました。どんどん後ろに飛んでいく街の景色は取り留めないものですが、瞬きをするとコマ切れになって静止したように見えます。各コマにどことなく共通点があって面白くなってきました。こんなことをしていると1時間半ほどの乗車もそれほど悪くないです。声は出さないので近くの乗客に迷惑はかからないし、変わった客がいるなぁとかえって楽しんでもらえたかもしれない。帰ってからその時のイメージをタブレットを使って描きました。

美術館で絵を見たあと、公園の一角にブルーシートを敷き、集まった気の置けない仲間とやった酒盛りは愉快で疲れが取れた気分でした。帰り道は夕方の通勤ラッシュに巻き込まれ、車窓を楽しむ余裕は生まれませんでした。
  

2019-06-01

No More Princess Dress

[  "A girl in tights"   Oil   F10   2019.5  ]

Last time she sit for my painting model was 2014. I posted the work as "After homework" to this blogs (i.e. 2014.7 and 2014.10). However she did not like the work, even she sobbed to look at it because she was with T-shirts and short pants. She wanted to dress up with the ones princesses would usually put on. When I asked her to sit for my paint this time she immediately smiled and nodded to me. I felt relieved. 

She has been in a hip-hop dancing team of her town for years. I watched video several times where she danced hip-hop with other girls on stage. When she first started dancing she was on a back row. Now she dances on a front row. It is not difficult to find out that she does it with big confidence these days. I believe this is one of the reasons why she willingly agreed to be a painting model for me. She no longer needs princess dress.
   

2019-05-01

夢のまた夢


< 旧松重閘門 油彩 F6 2019.4 > 

名古屋に行ったついでに山王にある、子供のころ時々見た松重閘門(まつしげこうもん)を訪ねました。昭和の初めに建設された松重閘門は、堀川と中川運河の水位差を調整するためのゲートでした。わたしが見たのは、船舶の往来がピークになった1964年の少し前。2対ある閘門の真ん中を走る路面電車の窓からでした。水運で運ばれた材木が辺りに積まれていましたし、煙突のある製材所も記憶に残っています。

閘門は歴史記念として保存されていますが、ゲートはコンクリートで固められ、その間の水位調整の部分は埋められて草が生えていました。市電が走った道は拡幅され、高架の高速道路が閘門の塔を見下ろすように走っています。もはや2対の塔を同時に見ることはできなくなりましたが、いつか、観光船がこの閘門を通り、2つの運河を往来する光景を想像してみました。夢のまた夢です。
  

2019-04-01

御茶ノ水の小さなカフェ


< 読書 油彩 P10 2019.3 >

早くも4月。1週間前にソメイヨシノの開花宣言があったのに、その後の真冬並みの寒さのせいで足踏み。この辺りの満開はやはり4月に入ってからのようです。やはり年度の替わり目に咲く花なのでしょうか。

卒業や異動なんかで味わう別れの気持ちはほとんど忘れかけていましたが、先月、わが身に起こりました。本当に久しぶりです。8年前からしばしば利用してきた、御茶ノ水にあった小さなカフェが閉店しました。仲間が集まるときは便利な場所でした。東京周辺に散らばる仲間にはちょうど良い距離だったし、小さいながらも大抵は空いていてゆっくりできたから。金箔、ミニ屏風、書、粘土、絵、装丁の仕方などを聞いたり、実際に作ったりして楽しく勉強させてもらった、さながら教室でした。また何回か 水彩画、思い出の版画、油絵などを展示させてもらったことも忘れられない。展示中は店のHさんが面倒を見てくれたおかげで、カフェに張り付かなくてもよかったのは大助かりでした。そんな場所だっただけに無くなったのは寂しい。
  

2019-03-01

記憶の中の夕焼け

< エゾ駒の記憶 F6 油彩 2019.02 >

まだ寒いのと スギ花粉が飛び始めるこの時期、どうしても室内で描くことになってしまいます。今回のは、学生のころ制作した版画を油彩に描き直したものです。

夏、北海道を旅した帰りに見たエゾ駒ヶ岳(たぶん正式には北海道駒ヶ岳)です。夜の青函連絡船に乗ろうと函館に向かう車窓から見たもので、山全体が夕焼けに包まれて強烈な印象として残りました。大地が天空を映しているか、天空が大地を映しているのか、、近ごろこんな夕焼けにお目にかかれません。元になった版画も下に掲載しました。


< エゾ駒 木版画 3色刷 62x40cm >
  

2019-02-01

下田の浜辺

< 浜辺にて 油彩 P10 2019.1 >

松林越しに日の出が見えました。鈍いドーン、ドーンという音が聞こえてきて、打ち寄せる波は高そうでした。陽が登りきってから浜辺に出てみましたが、波は撫でるように穏やかで不思議でした。2時間ぐらいのうちに凪ぎになったのか? 日の出頃の静寂さのせいだったのか? それとも夢見心地だったのか? 理由はともあれ穏やかな浜辺でよかったです。

下田では道路脇の田んぼに菜の花が咲いていました。水仙祭りのポスターも目に入りましたが、まだ1月、吹く風は冷たい。南の地に来たんだから春を先取りするのも悪くないと思う反面、どこか裏切られる気持ちもありました。けっきょくポスターを見ただけで終わり、その分ゆっくりできました。

伊豆の海岸は溶岩性の黒っぽい岩ばかりですが、下田の周辺には、ここ弓ヶ浜をはじめ白い砂浜が点在しています。明るい海の向こうに伊豆七島の島影が良く見えました。三宅島は海に沈んでいるようで頭をすこし覗かせるだけ。八丈島はさすが遠くて全く分かりません。地球が球体である証を見るようでした。
  

2019-01-01

雲でも富士山

< 富士雲 SM 2018.12 >

新年おめでとうございます
健康で穏やかな2019年でありますように

昨年11月、関西までドライブしました。時折強い雨が降る日でしたが、車なので不都合なく目的地に着けました。途中、低山が連なるところで 雨の残り雲が盛り上がっているのが見えました。形から直ぐ富士山を思い浮かべたのですが、ここで富士山が見えるはずはないとも分かっていました。それでもやはり富士山に見えてしまうのです。不思議な数分間でした。その時の感覚を温めているうちに今度のスケッチになりました。

子供のころから富士山には強い憧憬を持っています。いま住んでいる所からは日常的に見えるのに 見飽きません。たぶん 頭の中に 錐形 ~ 富士山の回路ができてしまっているのでしょう。しかし、もし 間違ったものを正しいと思い込んでしまったら怖いなぁ、と描きながら思いました。

また1年、このブログにお付き合いください。