名古屋に行く途中、蒲郡に寄りました。土曜日でしたが観光客は少なく、竹島へ渡る橋の近くに人影を見る程度でした。淡い緑色のジャッケットを着た人が浜の方を眺めていたので話しかけると、2週間後に始まる潮干狩りの漁場を監視しているのだと分かりました。たしかに長い棒が何本も差してある一帯は、潮が引いて今でも潮干狩りが出来そうでした。せっかく訪れたのだからと竹島に渡り八百富神社から反対側に下り、島を半周して戻ってくると、もう潮が満ち始めてさっきの干潟は潜れていました。
天気は下り坂で、湿った風が海のほうから吹き上がってきました。やや霞んでいましたが、満開の桜の向こうにさっき歩いた竹島が湖面のように静かな海に浮かんで見えました。
< 蒲郡にて・夜 F10 >
3時間ほどしたら暗くなって竹島橋に明かりが一斉に灯り、視覚的には昼間より賑やかになりました。ふと、高校時代に学校の近くのお城へ夜桜を描きに行ったことを思い出しました。いま頃のような派手なライトアップはなくて、ずいぶん薄暗かったこと、帰ってからの続も 終いには手に負えなくなってしまったことなどです。再挑戦の今度は、まず昼間のスケッチをきちんと描いてからにしよう。