< ツバキ遊び F30 油彩 2023.08.29 >
いちど行ってみたいと前から思っていた、長野県上田市にある無言館(戦没画学生慰霊美術館)を訪ねました。セミが鳴く 雑木林の丘にひっそりと佇む コンクリート作りの小さい美術館でした。絵の具が剥がれたものや 未完と思われる絵もあり、80年ほど前の 画学生が生きた時代の状況が伝わってきました。故郷の風景、家族や妻をモデルにしたものもあり、本当のことは分らないものの、愛する人たちを残し戦地で命を落とすことになった画学生を思うと、残された絵に 作者の20余年の人生が深く投影されているようでした。街の美術展を見るのとは違った機会になりました。
4月のデジタル ペイント版のスケッチ(同題名)をもとに油絵具で描きました。まだ寒かった3月の光景を、ことのほか暑かった8月に描くのは 気持ちの上でつらかったです。ともあれ 描き終わったときには、猛暑が陰り始めていました。