プロフィール

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名古屋生まれの名古屋育ち。絵との付き合いは、油絵を始めた高校時代。仙台にいた頃は友人と木版画に熱中。社会人になって遠ざかったものの、退職を期に再スタート。水彩、油絵と、もと来た道を楽しみながら続けています。

2008-04-19

失敗の賜物


今年初めての山歩きは西丹沢になった。5時半起きだったが、待っていた初歩きだし、気持ち良く晴れた空のせいで、すっきりした目覚めになった。松田町ではヤマブキだろうか、道路わきの崖に鮮やかな黄色い花が、北山町に入ると桜、終点の自然教室の辺りではブナの若葉が見えた。バスに揺られる一時間ほどのあいだ、自然が演出する春の行進曲を聴くようだった。

荒れていた沢で道を間違え 1時間余りロスするハップニング。そんなこともあって予定した全行程は歩けなかったが、そのぶん時間的に余裕が持てた。芽吹きを前に赤みを帯びたブナ林、明るい沢を縫って流れる澄んだ水、時々吹き抜ける乾いた風、檜洞丸に続く尾根下に僅かに残る白い雪筋、突然耳元で甲高く鳴くウグイスに驚かされるなど、いつもより味わい深い山歩きになった。
 

2008-04-07

二番亭

冬の鋭い寒さにくらべるとこの頃の朝はどことなくホンワリと冷たい。遠くに見える山並みが浅葱色に霞んで見えるのは好きだ。桜はもう散り足を急いでいるのに、近くで桜祭りが開かれるらしい。すでに桜花を十分堪能していることもあり気をそそられない。やはり桜は咲き始めがいい。

空は雲ひとつない青空で家にいるのは惜しい気がして、セカンドハンドの店を覗きがてら散歩に出かけることにした。どこからともなく菜の花の香が匂ってくるようだ。店は、家内が見つけておいたクラシックな家具を見るのが目的で、丹念に寸法を測ったりしていたら1時になってしまった。

ノンビリと歩くといつもよりお腹が空くみたいだ。近くにファミレスやファーストフードの店があったが敬遠し、何かあるだろうと思いながら少し先まで歩いて行くと「二番亭」と書かれた蕎麦屋さんが目に入った。食べ物屋ならふつう一番亭としそうなのに面白いなあと思いながら入ってみる。


テーブルが右側で、左側の厨房に向って一列カウンターがある。テレビは玄関の頭上だ。昔、こういう店に入ったなあと キョロキョロ見渡していると、次第に居心地が良くなってくる。湯気が上がる厨房がよく見える。そこから注文を取りに来た女性の白衣姿も清々しい。作りたてで ボリュームがあり、美味しくて安い昼食に大満足でした。


セカンドハンドの店で見て 気に入った家具といい、蕎麦屋の懐かしい雰囲気や味も、やはり「一番」というより「二番」の響きの方がよくマッチするようです。わたしもそれが好きなのに気づきました。