プロフィール

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名古屋生まれの名古屋育ち。絵との付き合いは、油絵を始めた高校時代。仙台にいた頃は友人と木版画に熱中。社会人になって遠ざかったものの、退職を期に再スタート。水彩、油絵と、もと来た道を楽しみながら続けています。

2012-10-25

相模野を走るSL



  もうこういう蒸気機関車は走っていません。いま走らせでもしたら、沿線住民からうるさいとか洗濯物が汚れると苦情殺到でしょう。しかし昭和初期にはここ相模野の原っぱを走っていたことを知りました。横浜に出るとき使う私鉄です。八尾に住む鉄道マニアの友人が、蒸気機関車が展示してある車両センターは近くではないかと教えてくれたのです。日曜日の昼時、散歩がてら見に行って来ました。

  事前の連絡なしでも快く中にはいれ見ることができました。たまたま通りかかった社員の方が親切に説明をしてくれました。すでに友だちから聞いていたことでしたが、知っていますとも言えなくなって、ナマの声を拝聴することになりました。それにしても気持ちの良い対応でした。家に帰ってから、あの社員の方は私達を見て「子供の頃に乗った機関車を懐かしんで見学に来たんだ」と思ったかもしれない、そんな気がしてきました。昭和24年まで走っていたというから、ぎりぎりその可能性はありそうです。

  客車に乗ってみました。室内は年季が入った木製で飴色に光っていて、窓を背にした長椅子の青さとよくマッチしていました。頭の中ではいつの間にか列車が動き始め、さっそうと相模野を走り抜けている姿が浮かんできました。
  

2012-10-04

遅い彼岸花


  数年前から庭の片隅で彼岸花が咲くようになった。たぶん植木を入れた時に株がまじっていたのでしょう。それが今年はお彼岸を過ぎても花茎を伸ばして来ない。枯れてしまったのかなと諦めかけていたら、9月も残り少なくなったころ、ようやく薄黄緑色の茎を伸ばしはじめた。夏の少雨と暑さが遅らせたのでしょうか。

  赤い蕾に混じって一輪が開いたのを合図に、車で20分ほど南に走り(この辺りは藤沢市と茅ヶ崎市の境いを流れる)、小出川沿いの彼岸花群生地に行ってみた。前日、台風の接近で強風が吹いたはずなのに倒れている花はない。燃えるような色にふさわしく案外強いのかもしれない。

  川にそって歩いてみた。両岸に咲く彼岸花の群生は狂おしいほどの激しさがある。のどかな里山の佇まいが残っているこの辺りでも、所々に産廃業者の作業場とおもわれる不調和でパッチワークのような囲いがあったり、鋼矢板(こうやいた)で覆われた護岸が続くと、腰を下ろしてスケッチしようという気持ちにならない。やっと見つけたスポットも、数分おきに雀脅しの爆発音が轟いて、居心地は今一でした。