プロフィール

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名古屋生まれの名古屋育ち。絵との付き合いは、油絵を始めた高校時代。仙台にいた頃は友人と木版画に熱中。社会人になって遠ざかったものの、退職を期に再スタート。水彩、油絵と、もと来た道を楽しみながら続けています。

2008-06-26

オープンな個性

ウィーン市内の見学に疲れ、今日はバッハウ渓谷のドナウ川を下る遊覧を のんびりと楽しんできた。暑さにはまいったが、天気予報を見ながら晴天の日を選んだのだから仕方がない。疲れると夕飯のレストランを探すのが億劫だ。ふと思い出したのが 到着した日に見つけておいた、ホテルから路地を抜けると1、2分で行ける、面白い名前のレストラン。よし、今日はあそこだ。

レストランの名前は「Witwe Bolte」、辞書でチェックすると どうも「やもめのボルテ」ということらしい。裏庭のオープンテラスがいい。真ん中にある大きな菩提樹がテーブルを涼しそうに覆う。ときどき風に乗って微かに甘い花の香りが下りてくる。7時前で数組のお客がいるだけだ。そのうちの、シニアに入ったばかりの年恰好の一組は、テーブルの同じ側に座って、静かに何か喋りながら仲良く同じメニューに見入っていた。二人座りのベンチでブランコになっているのがあるが(ブランコベンチ or スウィングベンチ?)、まさにそれに座って語り合っているような雰囲気だ。


少し離れた別の席には、同じ年恰好の二人が向かい合って座っていた。ビールが置いてあるのすでにオーダーは終わったのだろう。近くのアパートからふらっと食事に下りて来た格好で、男性のほうはテーブルの上に広げた新聞を丹念に読んでいる。女性は何かの書き物に集中している風だ。ときたま思い出したように顔を上げ、同時にビールを飲んだりするところは面白い。

運ばれてきたビールで喉の渇きを癒しながら、この二組の夫婦(?)の姿から垣間見れた個性について思いを巡らせてみた。



 

2008-06-25

ブルゴーニュのテイスト


ユーロカップの喧騒から離れ、ブルゴーニュへ。今日は中心都市ディジョンから国道74号線を南下。「コート・ドール(黄金の丘)」に広がるブドウ畑の黄緑色と空の青さが目にしみる。ここのブドウの木は幹が太い割りに丈が低い。まばらに人が畑に入って作業をしている。芽を摘んでいるのだろうか。畑の奥、丘をすこし上がった辺りに村が点在し、教会の尖塔や館も目に入ってくる。空と大地が広い。

すこし前に訪れたことがあってフランス語も話せるMさん、地元の人のように国道から続く村への道を選び、ワイン・テイスティング(試飲)ができるというワイナリーに案内してくれた。ひなびた集落の外れにあったワイナリー、シャトー・ジュヴレイ・シャンベルタン。古い素朴な石造りの館と、石積みの塀の内側に今を盛りに咲き誇るバラの茂みが好対照だった。アーチの門にぶら下がっているベルを鳴らしてみてはじめて、今日は休みなのがわかった。今の季節は、日曜だけ開いているようだ。残念。期待していた”地ワイン”は味わえなかったけれど、ワイナリーや辺りの家並み(スケッチ)が醸し出す雰囲気に飲み込まれそう。

そのあと寄ったボーヌの町で念願のテイスティングが実現した。さながら迷路のように延びたワインの地下貯蔵庫。目が薄暗がりに慣れてくると、両側に垂直に詰まれたワインのビンが美しい。到着した小部屋で待っていたソムリエからブルゴーニュの地質やワインの特徴を聴いたあと、最初のテイスティング。岩を刳り貫いただけの薄暗い小部屋の雰囲気は、不思議に味覚神経を敏感にす気がする。地下倉庫の何ヶ所かでテイスティングするうち、いいかげん酔ってしまった。最後の注文では、気に入った銘柄の2本だけにした。

2008-06-01

土と緑の香り



今月は雨が多かったように感じる。朝、雨戸を開け、流れ込む外気を吸い込むと、湿気を帯びた土と緑の香りがする。庭の一部を和風に変えるDIYが7割ほど出来たが、マッチ箱のような小さな庭でも、土や植物が朝の清々しい空気を作ってくれるのは嬉しい。

和風の庭といっても、それまでの芝生を剥ぎ取り、敷き石で輪郭を作った内側に草木を植えただけだ。そこに水草とメダカが泳ぐ小さな池が欲しいのだが、スペースと折り合いをつけるため別な方法を考えなくてはいけない。残り3割といってもいつ完成するのか全く見当がつかない。でも、それまでの工程を楽しめればと思う。

そんななか、1年半ぶりにスイスを回る旅行を計画している。前の時は冬だったが、緑を残した牧草地が広がっているのを見て、暖かいはずの日本の風景のほうが冬らしいと感じたことがあった。今度は初夏、どんな風景に変わっているのだろうか。1年半前を思い出しながら想像している。