プロフィール

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名古屋生まれの名古屋育ち。絵との付き合いは、油絵を始めた高校時代。仙台にいた頃は友人と木版画に熱中。社会人になって遠ざかったものの、退職を期に再スタート。水彩、油絵と、もと来た道を楽しみながら続けています。

2007-03-23

美術館、もう一つ


クレー美術館のことを書いたら、スイス滞在中に訪れたもう一つの美術館のことも紹介したくなりました。バーゼル市立美術館、クンスト・ミュージアム バーゼル(Kunstmuseum Basel)です。ホルバインからはじまり、数は多くないですが印象派の代表画家たち、そしてピカソ、シャガール、クレーまで、15世紀から近代までの幅広い作品を所蔵しています。

開催中だったカンディンスキーの特別展を観たあと、歩いて街に出て昼食。館内にもレストランはありましたが、疲れた気分を回復するにはこの方が好きです。午後、同じチケットで再び入場し、常設展のほうを観て回りました。さほど大きくない町(人口20万弱)に、といってもチューリッヒに次ぐスイス2番目の町ですが、これほど充実した作品を持つ美術館があるとは驚きです。それに観たいと思っていたセガンティーニの作品に出会えたのは嬉しいオマケでした。

陽が翳りだしたころ美術館を後にし、屋台で買った焼き栗を頬張りながら散歩。街並みを縫うように走るトラム(路面電車)に乗って帰途につくと、心地よい疲れが広がるのでした。おっと、降りる駅を聞き逃さないようにしなくては。

2007-03-17

クレーセンターとベルンの街並


もう2ヶ月も前ですが、ベルンの街を訪れました。スイスの首都で歴史ある街です。二つ目的がありました。画家クレーの新しい美術館と、世界遺産に登録されている街並を見ることでした。スイス人で親友のPさんが運転と案内を引き受けてくれました。

最初に訪れたのは、旧市街を見下ろせる高台に建つクレー美術館、正確にはポール・クレー・センター(Zentrum Paul Klee)。半年まえにオープンした新しい美術館というだけではなく、建物の形がユニーク。丘の上に三つのウエーブがうねっている格好をしていて、真ん中のウエーブがクレーの作品が展示してある大部屋になっていました。全作品の40%がここにあるそうで、クレーを堪能できる、まさに"センター"だと思いました。彼が描いたメモやスケッチが拡大されて壁に描かれていたのは面白い。ただ丹念に見ていると一日かかってしまうかもしれません。

丘を下りて、深く切り込んで流れるアーレ川を渡ると旧市街。クレー・センターとはガラッと違った雰囲気を感じます。少し大げさに表現すれば、中世の街並に迷い込んだよう。そんな気持ちで時計塔に向かって歩いていると、アインシュタインが一時住んでいたという家があった。彼はベルン時代の1905年、有名な特殊相対性理論の論文を発表したそうで、いよいよタイムスリップしていくような雰囲気に包まれたのでした。
  

2007-03-11

カワセミとミモザ


午後、気分転換したくなると1時間ほど自転車で走ってくる。いつも川沿いの遊歩道を7、8Km南下してから戻ってくるコースで、ちょっとしたお目当てがあるんです。最近その終点近くで見つけたカワセミに会うため。これまで本やテレビで見ていても、実物を見たのは初めてで感動しました。川に突き出た枝に止まり、夕日を背中に浴びて川面を覗き込んでいる。二回目から双眼鏡で観察していますが背中のコバルトブルーの縞模様がとても綺麗。鳥に詳しい友人のOくんに話したら「カワセミから"鳥撮"にはまる人が多い」と返事してきた。色鮮やかな羽の色や華麗なダイビングを見ると分かるような気がする。大口径レンズのカメラを持った人を近くでよく見かけるが、やはりそうなんだろうか。

帰りは、風に背中を押され気持ちよく走れます。ペダルが軽くなると余裕で辺りをきょろきょろ。先日は黄色い房状の花を一杯つけた木を見つけた。ミモザ(フサアカシア)というらしい。この季節よく見かける梅やコブシとは趣が違う花で、印象に残った。
  

2007-03-03

冬眠から覚める


2月も終わりに近づいたよく晴れた日、いつものHさん、Tくんと集落に近い雑木林の山に、キノコを植えるための「ほだぎ」を切りに入った。さほど走らないうちに道路脇には4、50センチもの雪があって、さらに現場手前では作業中の除雪車に前進を阻まれてしまった。一日早く来ていたら歩かなければいけなかったことを思えば待つのは気にならない。それに黄色い除雪車が青空めがけ雪を撒き上げるのを見るのは楽しい。

道路から少し入った堤のそばの木を切る事になった。雪は硬くなっていて作業しやすい。直径2、30センチのナラの木を選び、チェーンソーで倒す側の根元にクサビ型の切り込みをいれてもらった。反対側からの最後の切り込みはやらせてもらった。久しぶりに扱うチェーンソーはぎこちなかったが、木は音を立てながら予定した場所にあっけなく倒れた。2本を切り、80センチほどの長さに切りそろえたころには体が熱くなり、冬眠から覚めた気分になっていた。 
  

2007-03-01

早春飯豊


フキノトウが気になる季節になった。フキノトウで作ったスパゲッティ・ソースの味に魅せられたのがきっかけだ。暖冬の影響で、もう採れているという情報をもらい出かけることにした。その朝はひどく冷え込んだが 青空と明るい日差しが気持ちよい。フキノトウが出る田んぼには残雪が見あたらない。土手に沿って探し始めると、かすかな土のにおいがしてくるような気がする。これが雪国の2月なのだろうか。

その場所からは、真っ白に輝く飯豊連峰が一目で見渡すことができた。季節は違うが、かつて歩いた稜線を目で辿ってみる。一番左にある大日岳には寄れなかったが、いつか登ってみたいものだ。フキノトウは沢山採ることができたが、わたしの好きな、遅い午後の淡い光に浮かぶ飯豊を見にもう一度出て来ようと思った。