プロフィール

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名古屋生まれの名古屋育ち。絵との付き合いは、油絵を始めた高校時代。仙台にいた頃は友人と木版画に熱中。社会人になって遠ざかったものの、退職を期に再スタート。水彩、油絵と、もと来た道を楽しみながら続けています。

2019-05-01

夢のまた夢


< 旧松重閘門 油彩 F6 2019.4 > 

名古屋に行ったついでに山王にある、子供のころ時々見た松重閘門(まつしげこうもん)を訪ねました。昭和の初めに建設された松重閘門は、堀川と中川運河の水位差を調整するためのゲートでした。わたしが見たのは、船舶の往来がピークになった1964年の少し前。2対ある閘門の真ん中を走る路面電車の窓からでした。水運で運ばれた材木が辺りに積まれていましたし、煙突のある製材所も記憶に残っています。

閘門は歴史記念として保存されていますが、ゲートはコンクリートで固められ、その間の水位調整の部分は埋められて草が生えていました。市電が走った道は拡幅され、高架の高速道路が閘門の塔を見下ろすように走っています。もはや2対の塔を同時に見ることはできなくなりましたが、いつか、観光船がこの閘門を通り、2つの運河を往来する光景を想像してみました。夢のまた夢です。