冬の鋭い寒さにくらべるとこの頃の朝はどことなくホンワリと冷たい。遠くに見える山並みが浅葱色に霞んで見えるのは好きだ。桜はもう散り足を急いでいるのに、近くで桜祭りが開かれるらしい。すでに桜花を十分堪能していることもあり気をそそられない。やはり桜は咲き始めがいい。
空は雲ひとつない青空で家にいるのは惜しい気がして、セカンドハンドの店を覗きがてら散歩に出かけることにした。どこからともなく菜の花の香が匂ってくるようだ。店は、家内が見つけておいたクラシックな家具を見るのが目的で、丹念に寸法を測ったりしていたら1時になってしまった。
ノンビリと歩くといつもよりお腹が空くみたいだ。近くにファミレスやファーストフードの店があったが敬遠し、何かあるだろうと思いながら少し先まで歩いて行くと「二番亭」と書かれた蕎麦屋さんが目に入った。食べ物屋ならふつう一番亭としそうなのに面白いなあと思いながら入ってみる。
テーブルが右側で、左側の厨房に向って一列カウンターがある。テレビは玄関の頭上だ。昔、こういう店に入ったなあと キョロキョロ見渡していると、次第に居心地が良くなってくる。湯気が上がる厨房がよく見える。そこから注文を取りに来た女性の白衣姿も清々しい。作りたてで ボリュームがあり、美味しくて安い昼食に大満足でした。
セカンドハンドの店で見て 気に入った家具といい、蕎麦屋の懐かしい雰囲気や味も、やはり「一番」というより「二番」の響きの方がよくマッチするようです。わたしもそれが好きなのに気づきました。
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