プロフィール

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名古屋生まれの名古屋育ち。絵との付き合いは、油絵を始めた高校時代。仙台にいた頃は友人と木版画に熱中。社会人になって遠ざかったものの、退職を期に再スタート。水彩、油絵と、もと来た道を楽しみながら続けています。

2011-05-18

観光地、マーガレットリバー

イースターの5連休にパースから3時間ほど南にあるリゾート、町の名前でもあり地域の名前にもなっているマーガレット・リバーに出かけた。観光地といっても日本のそれとは全く違っていた。対面通行のハイウェーから一般道に出ると、人どころか車ともすれ違わない。道路の両側に見えるのは赤っぽい大地に広がるユーカリの林とブッシュ、それにかろうじて人の営みを感じさせる牧場や農場。どことなく西部劇の雰囲気に近い。ランチを予定していたレストランに向かうのだが、こういうワイルドな景色の中を走っていると期待はだんだんと萎んでしまう。どんな店なのだろうか。

広告板も案内標識もないので入り口に近づくまで気づかない。実に幸運に目に入った門を通り抜けて少し走ると木立に囲まれた駐車場があった。間違いなさそうだ。少し色づいたブドウ畑がなだらかな斜面に続いている。途中で見た乾いた赤い土地とは対照的だ。テイスティングしたワインの味は私には少し強かったが、ランチの、煮込んだラムのスネ肉はクセがなく美味しかった。こちらの名物料理だと後になって教えてもらった。帰り際、レストラン脇からの眺めが公園のようで、これがこの辺りの観光地なんだろうと分かったようなつもりになった。



2011-05-03

動体視力

大地震のあといつまでも続く余震に腹立たしい気持ちになるのだが、こればっかりは耐えるしかない。こんなストレスも作用したと思うのだが、休みが取れるという娘を訪ねパース(オーストラリア西海岸)へ行くことにした。時差1時間といえども季節は秋になっているはずだ。

街路樹のプラタナスは少し色づいて来たそうだが、30℃を超える日中の気温からは秋は微塵も感じられない。街のスカイラインの手前にはスワン川が澄んだ青空を映している。涼しくなった夕方、部屋から見えるゴルフ場に練習をしに出かけてみた。数人がゴルフクラブを振っていて、伸びてきたユーカリの影が落ちる芝生に向かって白いボールを飛ばしていた。右側の池から黒ずんだ色のアヒルの群れが一列になって出てきたかと思うと、7、80メートル先で、夕飯なのだろうか、しきりに何かを啄ばみ始めた。飛んでくるボールには一向に目もくれない。殆どのボールは彼らの上を飛び越えていくのだが、たまに際どい球もある。それでもマイペースで餌を取り続けている姿は、ゴルファーを馬鹿にしているようにも見えるのだが、彼らにそんな暇はないはずだ。。 たぶん、彼らの視力では、飛んでくるボールがしっかりと見えるのだろう。当たりそうになればサッと身体をかわす反射神経を持っているのだろう、と考えることにして、休めていたボール打ちをまた始めることにした。


 

2011-01-26

菜の花遠足

しばらく休んでいた「つれづれスケッチ」を再開します。

満開になった菜の花を見ようと吾妻山(136m)へ遠足に出かけた。山というか丘の上にある公園広場だ。東海道線二ノ宮駅で北口に降りるとすぐ左前方に見える。石段を上り切ると、正月の間の運動不足がたたったようで、やはり息が荒くなった。丘の上はなだらかでスイセンが所々にかたまって咲いている。お目当ての菜の花畑はもう少し先にあった。広場に出ると視界が開け、丹沢から富士山、箱根の山々、そして小田原、伊豆半島、相模湾、江ノ島辺りまで見えた。それと同時に菜の花の柔らかい香りに包まれた。わたしと同じように菜の花見物にやって来た人たちで、広場の西側はいっぱいだ。どこかの絵画クラブの催しなのか、スケッチをしている年配の女性が際立って多い。失礼と思いながら覘いてみた。面白いことに半分ほどの人たちは、ズームアップした富士山を真ん中にドーンと入れた構図だった。気持ちがストレートに絵になっているような気がして微笑ましい。それに比べると私のは皮肉れているのかもしれない。



 

2008-07-06

旅の終わりに (2)


滞在中は日帰りの旅行を何回か楽しんだ。遠足のような気分なのだが、少し違うのはパスポート持参の遠足なのだ。地図の上では、バーゼルは確かに市の西と北西にフランス、北東にドイツと接している。車だと30分もしないうちに国境の検問所を通過することになり、係官の指示に従わねばならない(スイスはEUに加盟していない)。これは私も含め大抵の日本人には非日常の出来事なのだが、その期待に反して、一度も止められることもパスポートを調べられたりすることもない。いつも何事も起こらずに終わってしまうこの儀式に少し不満でもあるのだが。

矢張りこの儀式を経て、先日はアルザス(フランス)のコルマール(Colmar)の町を訪れた。家から約1時間のドライブだ。小さな町だが、町中に入ると中世からルネサンスのころの建物が残っていて、何百年もタイムスリップしたような気分になる。前大戦で破壊されたドイツの都市とは対照的に戦禍を免れたということだが、歴史的な建物や町並みを残すという市民の努力も延々と続いているようだ。それが奏効し、いまでは、フランスとドイツの狭間で栄えた商都の、歴史テーマパークのような姿に変わっている。訪れる観光客も多い。歴史遺産をベースに町興し(意図はなかったかもしれないが)を達成したようにも見えた。

町中を流れる水路も観光名所になっていて、大げさながら「プチ・ヴェニス」などとパンフレットに紹介されていた。はじめ気乗りしなかったものの、車のバッテリを動力源にして動く小船に乗ってみると、花に飾られた古い町並みの眺めが緩やかに変わり、趣があって格別だった。スイス滞在中最後の、思い出深い遠足になった。

2008-07-05

旅の終わりに


先日のワインのテイスティングでは、アルコールに強くもないのに、気分にまかせ10種類ものワインを残さず全部飲んだせいで、顔がカッカするほど酔ってしまった。こうなったら味も香りもあったものではない。帰り道は、運転してくれたMさんには申し訳なかったが、助手席でいい気持ちになって寝てしまった。

そのブルゴーニュを訪れたのは3週間も前の事になってしまった。長いと思っていたスイス滞在もいよいよ終わり、明日こちらを発って日本に戻る。今週前半まで30度前後の晴天が続いていたが、昨日の雷雨を境に爽やかな空気に入れかわった。晴れ、昼下がりの気温は20℃、高原にいるような気分だ。

滞在中は、8ヶ月ぶりに見る孫と一緒に過ごせた。まだ2歳だというのに、語りかけた言葉に、機を得たような日本語の返事を返すのには驚かされた。砂が水を吸い取るように新しい言葉をどんどん吸収している。成長の眩しさのようなものを感じる。毎日、子育てに忙しい両親の大変さがあってこそなのだが、こういう時間が持てたことに感謝したい。